先日仕事で、ふと優先順位をつけるのが苦手ということに気付いた。
よくある緊急度と重要度のマトリックスで、緊急度が高くかつ重要度の高いタスクから片付けるというやり方を採用していた。
が、AとBのどちらがより重要か判断できない、またやってもやっても緊急度の高い用件が割り込んでくるため「重要度が高いが緊急度は低い」、いわゆる付加価値の高い仕事になかなか着手できないといった問題があった。
逆転の発想?
そんな時ふと「優先順位 つけられない」とかでググったところ、優先順位はつけなくていいという趣旨の記事が予想以上に多く出てきた。
例えばライフネット生命創業者の出口氏の下記記事などは目から鱗だった:
確かに、仕事とは最終的には全て「これやれ」なのだ。その中で多少のプライオリティの差はあれど、精緻な計画を立てたところでまずその通りにはいかないのだから、上から順番にやれというのが同氏の主張である。
個人的には、この主張それ自体がシンプルで明快なので、忙しい人こそ採り入れる価値のある効率的な考え方だと概ね賛成だ。
手抜きという善
その文脈でいろいろビジネスハックを読み漁っていた時に出会ったのが、こちらの本だ。
すごい手抜き - 今よりゆるくはたらいて、今より評価される30の仕事術 -
- 作者: 佐々木正悟
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2015/12/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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内容は、完璧主義の人がいかに上手に手を抜くか、それが本人にも周囲にも世の中にもプラスに働くかというもの。殊更目新しいものではない。
レビューでは「内容が薄い」「この本こそが『すごい手抜き』を体現している」などネガティブなものもあったが、私は読んでみて考えさせられる所が多かった。
というのも私のことを書いてます?と思うぐらい、完璧主義者の描写に心当たりがあるのだ。
- 最初の一歩を踏み出すまでに時間が掛かる
- 不完全なものに価値がないと考える
- 人に頼れない
- 自分<家族<友人<他人の順に大切にしている
特にこの辺りは、濃淡こそあれど身に覚えがかなりある。
頑張りすぎの全ての人へ
手を抜くことが悪いとは思っていないが、手を抜いたら具体的にどういうメリットがあるかを知れた点でこの本は有益だった。
そもそも完璧主義者が考える手抜きは、他の人にとって手抜きですらないかも知れない。
ちなみに私にとって最近の最大の手抜きは、パワハラ上司のプロジェクトから遠慮なく逃亡したことである。
仕事や恋愛、友人など人間関係で、頑張ってるのになぜか報われないと感じている人がいたら是非一度手に取っていただきたい。