元外資系OLの眼鏡

カナダ人と結婚5年目。カナダ・ケベック州モントリオール郊外在住。国際結婚のリアル/海外移住生活/日々の気づきなど、のびのび更新中。

私もおっさん世代のニーズが理解できなかったからその逆も然りでしょう

週末は、かねてから足が痛いと言っていた夫に同行してクリニックに行ってきた。土曜の外来は予想どおりの混雑で、まぁ午前中潰すつもりで来たのでひたすら院内の雑誌を読んで時間を潰した。

その中で、MONOQLOを発見して読み耽ってしまった。

MONOQLO (モノクロ) 2019年 01月号 [雑誌]

MONOQLO (モノクロ) 2019年 01月号 [雑誌]

 

Amazonだったり無印だったりその月のテーマに沿ってあらゆる商品(モノ)を、口コミや商品テストをもとに広告宣伝一切無しで紹介している雑誌だ。個人的に好きで、カフェとかでも置いてあれば必ず読んでしまう。

 

ミレニアル世代とモノの関係性

ちょうど先日、こんな記事を読んだところだった:

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私自身も昭和の最後に生まれたミレニアル世代として、この記事に書かれているような「モノの選び方」は呼吸するぐらい自然な感覚だ。周囲の同世代も、納得できるモノであればむしろ高くてもポンと買っている印象だ。例えば食洗機とかね。

若い世代が本当にモノを買わないのだとしたら、前述のような雑誌は売れないだろう。ところがどっこい、MONOQLOは創刊から4年で部数を3倍に増やしたそうだ(2017年の記事で少し古いがこちら参照)。

若者の購買意欲やマーケット心理が解せないオトナをなじる気持ちはない。なぜなら、私自身も逆カルチャーショックを受けたことがあるからだ。

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上の世代が喜ぶモノとは 

とある会で、ビンゴの景品を準備するという役目を仰せつかったことがある。

私ともう一人同世代の女子が任命され、ビンゴの参加者の多くは40〜50代の女性だった。彼女たちが喜ぶような景品を多く用意することが、裏ミッションであった。

二人で頭を捻り、一緒にデパートにも繰り出して、なかなか自分では買わないけどもらったら確実に嬉しいモノを揃えた。ちなみに一等は定石通りディズニーペアチケット。他は高級バスオイルやピエールマルコリーニのチョコなど。

全員何かしら当たる算段なので、当然最後の方は予算は少ないながらもちょっといいオリーブオイルなど自分たちなりに「これはどれが当たってもそれなりに嬉しいぞ…!」という景品リストが出来上がった。

当日ビンゴは盛況だったものの、景品を渡す中で予想外の出来事があった。

最も物理的に大物だったティファールの取っ手のとれる鍋セットが当たった時、オバサマたちのテンションがMAXに上がったのだ。

さらにその後、高級ボールペンが当たったオバサマが漏らした一言が耳に入った。

「もっとこう、当たったぞー!っていう感じの景品が良かったわ」

まぁ文句言うなBB(以下自粛)という思いはさておき、これは私の価値観を揺るがす言葉となった。

ティファールはもう一人の子の発案だったのだが、正直私は「主婦ならフライパン絶対持ってるし、収納できるとは言え邪魔になるのでは?」と思った。でも結果として前述のオバサマの言う通り、これがアタリの景品だった。彼女たちにとっては大きなモノを大きな袋に入れて持って帰ること、それが豊かさの象徴なのだと気付いて衝撃を受けた。

そう言われてみれば、この手のビンゴ大会で美顔器とか骨盤マッサージャーといった家電系もよく見る。私はいつも「かさばるから当たってほしくないなぁ」と思っていたが、これらの景品は実際に人気だからこそ頻出なのだ。

 

モノの価値についてはこちらの記事もどうぞ▼

www.lifeisajanico.com

 

企業が性懲りもなく炎上する理由 

おっさん社会は若者のニーズが分かっていない!とプリプリしてもおっさんたちはヘソ曲げるだけだと思うが、上記の例を挙げれば、世代間でこれ程までに価値観や常識が異なることは自明だろう。もちろん個人差あるけどね。

そう考えると、近年多発する企業のSNS炎上に関しても違った見方ができる。

例えばユニ・チャームのワンオペ育児礼賛CM炎上事件は記憶に新しく、併せて同社の経営陣が見事におじさんばかりであった(当時*1)ことや、対してP&GのCMの進歩性が話題になった興味深い事例だった。

こうした企業広告炎上の際に欠かさず出てくる「代理店が出してきたこの時代錯誤なCM案にGOサインを出す経営陣に問題がある」論について、私は実際に企業CMがどう作られているのか、広告の意思決定をするのがトップのおっさんたちかどうかは知らないので今度調べておきますね。

ただ全ての経営責任は経営陣にあるという仮定+前述の経験を踏まえると、そりゃ団塊世代のおっさんに子育て世代のママの気持ちは分からないだろうというのが私の意見だ。

まぁだからこそ優秀なマーケターや女性の経営参加が求められるのだけど。ちなみに女性活躍に関しても「女性ならではのきめ細やかな視点」とかいう言葉には懐疑的で、女性でもガサツな人もいれば男性でもきめ細やかな視点を持った人はいると思っているのだが、この話は長くなるのでまた別の機会に。

 

あたりまえを押し付け合わない

何が言いたいかというと、違いを認識することこそが(いま流行りの)ダイバーシティの一歩なんだということ。その上で互いの視点から物事を見ていけば対立は最小限に抑えられるし、双方の良さを活かし合ってマーケットや公益を広げていけるのではないのかな。

 

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*1:2019年1月付で稲葉洋恵さんというマーケの方が執行役員になってる!わーいわーい\(^o^)/……で終わりじゃぁないですよね。

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