女性活用()について抱いていたモヤモヤ・違和感が、ようやく言語化できそうなので書きます。
職場の席替えで
日系企業の前職では、席は部署ごとに細長くデスクを並べた、いわゆる島方式でした。
部署内でもだいたいチームごとに固まってますが、たまに(年に1回ぐらい)「席替えする?」という話が出てきます。
内勤であれば役割分担で最も効率的な席順がベストだと思いますが、営業だった我々の部署はみんな外出の時間がほとんどなので、正直あまり席順が関係ないんですね。じっとしていられない人も多いので、たまに気分転換も大事です。笑
ある日席順を考えていた部長が、たまたまそこにいた私をとっ捕まえてこう聞いてきました。
「やっぱり、女性同士くっつけた方がいいんかなぁ?」
女はみんな一緒?
当時部署には、私含めて3名程の女性社員がいました。時短ママ、既婚、当時独身の私というメンバーです。
彼としては気遣いのつもりで、「女性同士の方が話しやすい&いろいろ相談しやすいだろう」と軽く考えて言ってるのはよく分かります。
しかし女性だからという理由だけで、10数名の部署のうち3名をひとかたまりに座らせる意図だと理解すると、その意味は?
女性は全員一緒だと思う?それぞれ環境も事情も性格も全然違うよ??
あれやこれや言いたい気持ちをグッと抑えて、絞り出した一言。
「部長は、女性同士、くっつけたらいいと、思うんですか?」
一語ずつ、ゆっくりと噛みしめて、まっすぐ部長の目を見て言いました。
そしたら部長は「イヤイヤ、そんなことはないけど〜…」とか言いながら去っていったところからも、悪気はないんだよなぁ…。
結局決まった席順は、男女混ざっていました。
実体験を以て学んだこと
この出来事から得られる教訓は次の2つです。
①女性と一口に言っても多様である
女性活用()が往々にして上手くいかない理由は、女性という属性だけで多種多様な人間を一緒くたに考えようとするからだと思います。
女性っていうとすぐに結婚・出産関連に話が飛びがちですが、その前に一人の人間として見てよっていう。
男性社員なら、あいつは出世欲が強いとか、こいつは縁の下の力持ちタイプだよなとか、もう少し個人の資質、もっと言えば性格がキャリア開発の面でも言及されることが多いように思います。
女性省の設置についても、男性省がないのに何故っていうシンプルな疑問と、女性ってだけで「女」というラベルを貼られて、個人の特性や意思は蔑ろにして並べられるような感じがしてしまいます。
②違和感を感じたら口に出す重要性
もしあの場で私が部長に「そうですね〜」とか思ってもないのに言ってたら、部長は絶対に私の気持ち(少なくとも良くは思っていない)に気付くことなく、むしろ「俺女性の気持ち分かってるぅ♪」ぐらい思って、席順も女性が固まってたことでしょう。
外資系に転職して本当に思うのは、日系企業における若手女性社員って、忖度オブ忖度を求められてる。不快感までいかなくとも、違和感があっても意見せずに上手くかわせることが「コミュ力」とされてる。それが出来ない人はKYとされる。
でも、前述の部長のように悪気ないおっさんたちには、言わないと分からないのです。もちろんおっさんに限らずおばはんも、若くても価値観の多様性がない人はいます。
そういう人にまず気付いてもらうためには、言葉にして伝えるしかないのです。
幸い、時流はこちらにあります。
できることからやっていきましょう!