外資系企業に転職し、そこで昇進した
そのどちらのプロセスにも面接が存在したので、限られた個人の経験ではあるが得たことをシェアしたい。なお私は米系の企業に勤めており、外資系と言っても米系か欧州系、欧州系の中でも例えば仏系と北欧系、また最近だとアジア系などなど、もちろん会社によってもカラーが全然違うことは大前提の上で読み進められたい。
Why should we choose you?
なぜ私たち(会社)はあなたを採用 or 昇進するべきですか?
象徴的かつ全ての質問はこの問いに帰結していたように思う。逆に言えば、この質問にさえ自信を持って答えられたら、他の枝葉はいくらでも取り繕うことはできる。
取り繕うと言うと言葉が悪いが、面接において実績や成果について多少盛る…いや見栄えを良くするのは基本中の基本である。もちろん嘘は書いちゃいけない。ただ見方や解釈によって、より良く聞こえるようにプレゼンするのは技術の一つだ。
話が逸れたが、「なぜ会社は私を採用すべきか」。この問いに胸を張って答えられるだろうか?
海外MBAやら前年比XX%売上増やら、輝かしい実績がないと心許なく感じるかも知れない。が、輝かしい実績それ自体にはあまり意味がない。「MBA持ってます、で?」で終わり。
必ずしも現時点でproven(証明された、実績のある)でなくても、それまでの行動や取り組みにある程度一貫性があり、前述の通り多少お化粧した実績の例を2, 3挙げられて「で、おたくの会社でコレとアレをやって貢献できます」が言えたら、あとはマッチングの問題だと思う。
一貫性という言葉に反応してしまったあなた。大丈夫、「幼い頃から野球が好きで野球選手になりたいです」といった分かりやすい一貫性を持っている人なんてほとんどいない。でも人間である以上、これまでの選択や決断において自分の軸や価値観といったものが、多少なりとも反映されているはずだ。それが朧げながらでも明らかになれば御の字。
しなやかな強さ
抽象的な話が続いたので、私の場合を例に取りたい。
今回の昇進において私が私を推したポイントは一点、レジリエンスである。
Resilience:
- (病気・不幸・困難・苦境などからの)回復力、立ち直る力、復活力
- (変形された物が元の形に戻る)復元力、弾力(性)
一口に強さと言ってもいろいろあって、こんな風にイメージしている:
- Toughness: どんな苦境も鋼のように跳ね返す屈強さ
- Patience: ひたすら耐え忍ぶ我慢強さ
- Resilience: 積もった雪の重みを、枝をグイーンとしならせて逃がす柔軟さ
困難があった時、すぐ逃げ出すのでもなければただ耐え忍ぶでもなく、無理に跳ね返したり自分に鞭打って強いふりをするのでもない、柳のようにしなやかな強さを心掛けている。
そして、世界中の優秀で出世欲の強いライバルたちに対して、真っ向勝負をしても分が悪い。そこで私が取った作戦は「グローバルの優れた同僚たちの中にはうちの会社をstepping-stone(踏み台)にする人がいるかも知れないけど、私はこの会社をそうは見ていません。」という論点だ。
こんな日本的な、骨を埋める覚悟で…論法が通用するのかは不明だったが、素直な気持ちでそう話した。その結果昇進したのだから、もしかしたらグローバルにおいて物珍しく面白かったのかも知れない。ともあれ、結果良ければ全て良しである。
万能な問い
あまり参考にならない個人的な話だったが、会社はなぜ自分を雇うべきか?という典型的に西洋的な質問は、意外とあらゆる場面で応用の利く質問だ。例えば婚活においても「なぜ(未来の)パートナーは私を選ぶべきか?」という質問に対して、心の底から言える答えを持ち合わせているだろうか?
たまには外資系OLらしい記事でした :)