私たちが移住したのは、カナダの中で唯一のフランス語圏であるケベック州です。
夫の故郷ということもありますが、北米のパリと呼ばれるヨーロッパ風の美しい街並み*1に惹かれたことや、日本人があまり多くない州にあえて行くという逆張り志向(ただの変わり者とも言うw)を発揮して、二人で決めました。
ケベック州の言語事情
フランス語圏という点について補足すると、そもそもカナダの公用語は英語とフランス語です。高校時代アルバータ州に留学していた時も、食品の成分表示などあらゆるものが英仏W表記でした。でも第一公用語は英語で、人々は英語を話すし、フランス語は学校で習った程度という人も多いです。
対してケベック州のみ、第一公用語がフランス語です。よって、ケベックの人が家族や友達同士で普通に話すのは基本的にフランス語*2。
ただし夫を含め、30〜40代以下や役所・企業に勤める人たちは概ね完全な仏英バイリンガルという印象です。50〜60代以上の世代になると、フランス語オンリー or 英語は挨拶程度という人が増えます。
私のフランス語事情
夫と私の日常会話は、共通言語である英語で特に問題ありません。
お互いの第三言語である日本語(夫)とフランス語(私)は、まさにどんぐりの背比べというところです…笑。二人とも一応大学でそれぞれの語学の授業取ってたのになぁ…
前述の通りフランス語圏に移住するというのに、フランス語の基本的な文法もままならないという舐め切った状態だった私。一応夫とカジュアルに会話練習はしていましたが、一向に上達しないまま渡航が近付いてきました。
一念発起してフランス語会話の集中講座に通おうと体験レッスンに行くなどしていたところに、コロナ騒動勃発。対面は無理なので、Webでできる所を探さなきゃな〜…と重い腰が上がらずにいたところに、前職の同僚(シンガポール人)と話す機会がありました。
同僚「ケベック行くんだよね!フランス語の勉強はどう?」
私「(うぐっ……)うーん、思ったように進んでいないのだよ…」
同「そう言えばレイチェル(仮名)がDuolingoやりまくってたよ!」
レイチェルは同じくシンガポール人の同僚で、パリ本社の会社に華々しく転職したのです。必須ではないもののやはりフランス語も多少はできた方が良いだろうということで、ほぼゼロからDuolingoで自習していたそう。
Duolingoと私
御存知の方も多いと思いますが、Duolingoはグローバルで最も有名な語学学習系アプリの一つです。Wikipediaによると、2019年現在世界中に300万人のユーザーを誇り、94言語の学習に対応しているそうです。
課金すれば広告をスキップするなどできますが、無料で全く問題なく使えます。
実は1〜2年前に一度挑戦しましたが、基礎の反復練習が続くため「これで本当に話せるようになるんかいな…」と懐疑的になり、やらなくなってしまいました。態度だけは一丁前の初心者あるある。
が、あの優秀なレイチェルもDuolingoでコツコツやってたならもう一回挑戦してみよう!と思い、再ダウンロードしました。
結果ハマった
Duolingo、引き続き地味〜にハマってます🐥
— Casey@外資系OLの眼鏡 (@lifeisajanico) 2020年4月14日
一つのアカウントでフランス語と日本語を切り替えられるので、私が稼いだハート(機って言うの?ライフ??)を夫🇨🇦が使い込んでるとヲイィってなるw
とりあえずオンラインレッスンを探すまでの繋ぎとして始めたDuolingoですが、毎日やってるとそれなりにハード(?)だし、何より目に見えて文法と語彙が成長してきた!よって、これ一本で様子を見ることにしたまま今に至ります。
使えば使うほど、世界中で人気のアプリであることに納得がいきます。主な理由として:
- UI/UXが秀逸なのでサクサクと学習を進められる
- Reading/Writing/Listening/Speakingがバランス良く散りばめられているので飽きにくい
- 反復性があるので無理なく身に付けられる
それぞれ補足説明します:
1.UI/UX
まず、デザインや操作性に無駄がなく快適。
また「あれ?これなんで間違ったんだろう」という時にコメント欄を見ると、世界中のユーザー同士でアドバイスし合っている掲示板を見ることができ、だいたいの問題は解決します(それでも分からなかったら夫に聞くw)。WikipediaやメルカリのQ&Aもそうですが、オープンソースが一番網羅的かつ意外と信頼性も担保できるという、ユーザー数の多いプラットフォームならではの利点ですね。
2. バリエーション
正確には、WritingとSpeakingは全体の1割ぐらいの設問数なので、ReadingとListeningが中心になります。さらに言うと、Speakingはマイクに向かって書かれた通り読んだ文章を音声認識で正誤判定するというものなので、Pronunciationというところかな。
単語の神経衰弱的なのも頻出で、とにかくゲーム感覚で飽きさせない設計になっています。
3. 反復性
過去に挫折した経緯でも書きましたが、特に序盤は当然ながら超簡単なんですよね。
「余裕だな〜」と感じるフェーズがわりと長く続き、ちょっとレベルアップしても結構しつこく(?)同じ文法や語彙が手を替え品を替え出てきます。
前述の通り飽きない工夫はされているので、いつの間にかステージをクリアした頃には、反復練習のおかげで無意識のうちに頭に叩き込まれています。
小学校の時にやったドリルの効果は本物なんだなぁと実感します。
気軽に始められる言語学習
そんなわけで、従来よりはフランス語に対して幾分楽観的な気持ちを持つことができました。単純!
体感的な効果としては、夫がフランス語で家族や友人と話している内容が、以前は5〜10%しか分からなかったのが、今は20〜30%ぐらいまで上がってきました。聞き取れたら、そのうち話せますからね。
とうとうカナダに越してきてからも、幸か不幸か自己隔離で時間だけはあるので、ちまちまとやっています。日本にいる時から、1日最低1レベルはクリアするというゆるい目標ですが、やり始めると止まらなくなるので難なく達成できます。引っ越し前はさすがに慌ただしくて出来なかったけど。
ちなみに、夫は日本語バージョンをやっていますが、レッスン中に出てくるキャラクターがいなかったり、Speakingの設問がなかったりします。ターゲット言語の人気によって、実装が異なるみたいです…涙。
新しい言語の習得に興味がある方は、無料で気軽におうちで始められるDuolingoを試してみてはいかがですか?(回し者ではない)
おまけ
Duolingoの他に、フランス語学習の重い腰を上げてくれたもう一つのきっかけが、こちらの書籍。
本屋にフランス語のテキストを買いに行ったものの、どれもCDが付いてくるんですよね…まぁ音声はダウンロードすればいいんですけど。
「CD付きでないもの」を探していたところ目に入ったのがこちら。エッセイを読むように、ちょっと面白いフランス語の教授の講義を聞いているような気分で、主に発音の基礎を学ぶことができます。あと文法もちょこっと。
文法の基礎を網羅的に学習できるものではないのでご注意下さい。私は大学の授業で、動詞の活用や女性形・男性形、数字といった文法を延々とやってちっとも頭に入らなかったので、逆に本書のように文脈の中で学べるものを求めていました。
1〜2時間でさらっと読めるようなボリュームで、確かに一通りの発音はできるようになり、フランス語を目にすれば「それなりに」読めて「なんとなく」解るようになると思いました。旅行や趣味が目的なら、それで十分ですよね。
この本を読んで“おフランス”に対するハードルを下げてから、他の学習方法で強化していくのが良いと思います!
もしご関心があれば、手に取ってみて下さい。
À bientôt ! :)