20代前半、いや後半ぐらいまで、わりと本気で「誰かがこれまでの私の人生から分析して一番良い生き方を教えてくれないかな」と思っていました。
今思えば怖い。ホラー。
カナダ就活の罠
カナダで就活を始めた時、ネットで情報収集をしたら日本食レストランで働くしか道がないような錯覚に陥りました。
もちろん私が接客や調理のキャリアを志していて、相応する経験を持っていれば問題ありません。
しかし、私はそうではない。さらに時はコロナ禍で、飲食業界自体が厳しい。
絶望的になりつつよく考えると、カナダで働くことについてネットで得られる情報の多くが、ワーホリ関連であることに気付きました。
カナダで永住権を持つ人が、カナダにワーホリで来る人よりはるかに少ないのは明らか。さらにその中でstableな職を得て、その上で情報発信をしている人。しかもトロントやバンクーバーなど日本人が多い都市ではなく、フランス語圏のモントリオール。
ググって情報が出てくると思ってる方がどうかしてました。笑
なぜその情報は出回っていないのか?
私の場合、幸い義実家のご近所さんが日本人パートナーのいる方で、彼が職探しのヒントとして「こういう分野に当たるといいよ」と教えてくれました。
その直後ではありませんが、フランス語学校に通うなどしてサバイバル能力を培っていた矢先に、その分野で職を得ることができました。
じゃぁその分野を教えろよという話ですが、情報を独り占めしたいのではなく、単に身バレを避けたいのです。
例えば、日系自動車関連の研究職と言えば、モントリオールに支社のあるような会社は限られ、その中で日本人で…となると他の情報と併せて簡単に身元が特定される可能性があります。
顔出し・実名でSNSをやっているインフルエンサー以外の多くの人々は、穏やかに慎ましく人生を築きたいと思っている。
前述の通りただでさえ母数の少ない集団の中で、身バレリスクのある情報を出すメリットがないのです。
全ては◯◯である
というわけで、ネット上には母数が多く(=競争が激しく)身バレのしようがないようなありきたりな情報が溢れ返ることになります。これは海外就職に限らず、キャリア・恋愛・人間関係などあらゆることに当てはまります。
カナダに来た頃、歯茎の奥の小さな突起が気になったのでググりまくった結果、最終的になぜか口腔がんかも知れない…と絶望していた私。移住後でメンタルが不安定だったんやな…。
それを夫に言うと"Everything is a cancer on the internet!"と一蹴されました。ネットではどんな不調も最終的に「それはがんかも?」って煽るんだよ、と。
事の顛末としては、歯科検診で突起が気になることを聞いてみたところ「親知らずを抜いた跡だから治癒の一環としてこうなる」と言われてひと安心。それ以降全く気にならなくなりました。
夫の言葉は正しかった。個人によって状況が異なる問題は、個別に行動することでしか解決しないのです。ネットでいくら調べても正解が見つからないのは当たり前。
Just Do It.
それなのに人はなぜ、以前の私も含め;
- 今の会社で◯年目だが転職した方がいいのか?
- 今のパートナーと別れた方がいいのか?
- 賃貸と分譲どちらがいいのか?
- カナダと日本どちらで暮らすのがいいのか?(私)
といった問題の答えを「誰か他の人の意見」に求めてしまうのでしょうか?
もちろん、これらの答えを出すために判断材料を集めることは重要です。しかしこういった二項対立問題は、たいていどちらもpro/conがあるから迷うんですよね。
だとしたら、自分はこうすると決めて行動するしかありません。その結果ミスったりやらかしたりしても、失敗という経験値は貯まるし、すぐ軌道修正すれば大したことは起きません。
あの頃の私へ
もし私が過去Googleに人生の答えを求めていた自分にアドバイスを送るなら、こう言います。
「世の中、たいていのことはどうにでもなる。でも誰かを盲信すること、自分の頭で考えないこと。これだけは間違いなくヤバい。」